Earth Compass

2026年8月31日 朝版

日本列島・地殻活動リスクモニタリング

本日の総合判定:注意
前日比:↓ やや沈静化
本日の焦点:首都圏・三陸沖・熊本・北海道を継続監視。八重山は軽微な活動後、現時点で大きな拡大なし。

8月31日08時前の専門機関公開データを確認すると、昨日30日の千葉県東方沖M4.8・最大震度4以降、全国で新たな震度5弱以上やM6級の地震は確認されていません。直近では30日09時14分の浦河沖M4.0・最大震度1、31日03時29分頃の福島県会津M2.7などが確認されますが、全国的には前日よりやや落ち着いた推移です。

地域別リスク評価

地域 判定 前日比 主な根拠
日本全国 注意 千葉震度4後、新たな強震なし
首都圏・関東 注意 8/30千葉県東方沖M4.8・震度4
東北・三陸沖 注意 8/27 M6.1後、M4級活動あり
熊本・天草・九州中部 注意 M7.1後の地震活動・余効変動継続
北海道・浦河沖~根室 注意 M6.0後、30日にも浦河沖M4.0
南海トラフ 通常※ 新たな臨時情報なし
日向灘 通常~注意 M5.3後、規模拡大なし
伊豆・八丈島周辺 注意 8/21 M5.5後
沖縄本島 通常~注意 大きな規模拡大なし
宮古島周辺 注意 8/25 M4.2、8/28 M4.5
八重山・西表島周辺 通常~注意 8/30西表島付近M3.6後
海底観測 通常 重大な新規公的異常情報なし
太陽活動 やや活発/参考監視 NICT最新予報でやや活発
地磁気 やや活発→静穏予想 NICT最新予報
電離圏 参考監視 地震予知指標として未確立

※「通常」は安全を保証する意味ではなく、現時点で平常状態から明確に逸脱する公的観測結果がないという意味です。

首都圏・関東

昨日30日00時17分、千葉県東方沖M4.8・最大震度4が発生しました。これはEarth Compassとして昨日、首都圏の注目度を再び上げた理由です。 気象庁データサービス

一方、31日朝までに同海域や関東周辺で同規模以上が連続している状況は確認されていません。

判定

注意 →

8月23日の茨城県南部M5.9・最大震度5弱からも1週間以上が経過しました。首都圏全体が異常化していると判断できるデータはありませんが、30日の震度4を考慮し「通常」にはまだ戻しません。


三陸沖・東北太平洋側

三陸沖では8月27日にM6.1・最大震度2、29日にM4.7・最大震度1が発生しています。 気象庁データサービス

さらに今年は4月20日の三陸沖M7.7、6月25日の岩手県沖M7.2など、大きな地震が複数発生しています。仙台管区気象台も2025年11月以降、青森・岩手沖で地震活動が増加していることをまとめています。 気象庁データサービス

国土地理院のGNSS観測でも、6月25日の岩手県沖地震に伴う変動と4月20日の三陸沖地震後の余効変動が確認されています。 地理院地図

判定

注意 →

Earth Compassでは引き続き全国の最重点監視地域の一つとします。


熊本・天草・九州中部

7月28日の令和8年熊本地震M7.1・最大震度7後、熊本地方と天草・芦北地方では地震活動が続いています。29日22時43分にも熊本地方M3.6・最大震度2が発生しました。 気象庁データサービス

地殻変動について、国土地理院は電子基準点「千丁」で北東方向へ約87cm、約33cmの沈降を確認し、その後も余効変動と考えられる変化を観測しています。 国土地理院

8月21日には衛星SAR解析も更新されていますが、30~31日に新たな大規模地殻変動の公表はありません。国土地理院の最新新着情報でも、熊本地震関連の主要更新は8月21日分です。 国土地理院

判定

注意 →

大地震直後より活動は低下していますが、地震活動と余効変動の両面から継続監視が必要です。


北海道・浦河沖~根室

8月23日の浦河沖M6.0・最大震度4、25日の根室半島南東沖M4.8・最大震度3に続き、30日09時14分にも浦河沖M4.0・最大震度1が発生しました。 気象庁データサービス

規模は小さくなっていますが、活動が完全に止まったわけではありません。

判定

注意 →

現状は「拡大」ではなく、M6.0後の活動推移を確認する段階とみます。


南海トラフ

本朝までに、新たな南海トラフ地震臨時情報は確認されていません。

最新の公式定例評価では、南海トラフ沿いの大規模地震発生可能性が平常時より相対的に高まったと判断できる特段の変化は観測されていないとされています。

判定

通常 →

ただしこれは「南海トラフ巨大地震の長期リスクが低い」という意味ではありません。

平常時自体が高リスクであり、現在はその平常状態を超える追加的異常が確認されていないという意味です。


沖縄・宮古・八重山

宮古島周辺では8月25日M4.2、28日M4.5・最大震度1が発生しています。八重山では30日02時26分に西表島付近M3.6が緊急地震速報予報系で検知されましたが、震度1以上の観測はありませんでした。 気象庁データサービス

石垣島地方気象台の最新月例資料は8月14日に公開された7月分で、その後、八重山を対象とする重大な臨時地震情報は確認されていません。 気象庁データサービス

沖縄本島

通常~注意 →

宮古島周辺

注意 →

八重山

通常~注意 →

西表島付近M3.6単発では異常活動とは評価できません。今後、M4~5級への規模拡大や短時間の群発化があるかを確認します。


海底観測

S-net・DONET・N-netなどの海底地震・津波観測網は、日本海溝・南海トラフ周辺の監視に重要な役割を担っています。

本朝までに、これら海底観測を根拠として南海トラフ地震臨時情報など重大な新規情報が発表された状況は確認していません。

判定

通常 →

Earth Compassでは海底観測の生波形から独自に「前兆」を認定しません。

ノイズ、小地震、機器特性、海洋現象を専門解析なしに切り分けることはできないためです。


地殻変動

全国の公的GNSS・SAR情報で現在特に重要なのは、

熊本地震後の大規模変動と余効変動
三陸沖・岩手県沖地震後の余効変動

です。

国土地理院の8月28日までの新着情報では、これらとは別に日本列島全体で急激な新規広域変動が発表された状況はありません。 国土地理院

判定

注意 →

これは主に熊本・東北の既往大地震後の変化を反映しています。


太陽活動・地磁気・電離圏

NICTの最新宇宙天気レポートでは、

太陽活動:やや活発
地磁気活動:やや活発、その後数日は静穏予想

となっています。 宇宙天気予報

NICTではGEONETを使ったTEC、TEC短周期変動、ROTIなどを継続監視しています。ROTIは電離圏の電子密度擾乱の度合いを見る指標です。 宇宙天気予報

ただし、ここはEarth Compassとして明確に分離します。

TEC、電離圏異常、太陽フレア、地磁気擾乱から地震発生を実用的に予測する科学的方法は現在確立されていません。

NICTの宇宙天気情報自体も、主に通信・放送・GNSS・人工衛星などへの影響評価を目的としています。 宇宙天気予報

したがってEarth Compassでは、

太陽活動:参考監視
地磁気:参考監視
電離圏:参考監視

とし、地震の警戒レベルを直接上げる材料には使用しません。

本日の総合評価

🟡 日本全国:注意 ↓

昨日は千葉県東方沖M4.8・最大震度4があり、全国を「やや活動的」と評価しました。

31日朝までの更新では、

浦河沖M4.0・最大震度1
福島県会津M2.7

など小~中規模の活動にとどまり、新たなM6級・震度5弱以上の地震は確認されていません。

したがって今日は、

全国判定「注意」は維持するものの、前日比はやや沈静化

と評価します。

今日の重点監視順位

1位 三陸沖~東北太平洋側
今年M7級が複数発生。余効変動とM4級活動を監視。

2位 熊本・天草・九州中部
M7.1後の地震活動・余効変動。

3位 首都圏・関東
昨日千葉県東方沖で震度4。

4位 北海道・浦河沖~根室
M6.0後、昨日もM4.0。

5位 宮古・八重山
M4級活動と西表島付近M3.6の推移を確認。

今日のポイント

全国判定は「注意」を維持しますが、昨日よりやや落ち着いています。千葉県東方沖の震度4後に大きな続発はなく、三陸沖・熊本・北海道も規模拡大は確認されていません。八重山では西表島付近M3.6後の推移を見ますが、現時点で異常活動を示す状況ではありません。

防災上のコメント

首都圏では昨日震度4がありました。家具固定、棚上の重量物、寝床周辺の安全確認を続けてください。

東北・北海道の太平洋沿岸では、沖合地震が続いているため、強い揺れや長くゆっくりした揺れを感じた場合は津波情報をすぐ確認できる状態を保ってください。

熊本では損傷した建物、ブロック塀、石垣、斜面などへの追加の揺れによる二次災害に引き続き注意してください。

沖縄・八重山では、Earth Compassの判定に関係なく、

強い揺れ、または弱くても長い揺れを感じたら、津波警報を待たず高い場所へ避難

を基本行動としてください。


Earth Compass評価基準

通常:観測活動が概ね平常範囲。
注意:地震活動増加、大地震後の活動、注視すべき地殻変動など。
警戒:強い地震直後や公的注意情報などから、防災警戒を一段強めるべき状態。
高警戒:重大な公的臨時情報等を伴う明確な異常状態。

Earth Compassは地震を予知するものではありません。

地震活動、GNSS、SAR、海底観測、スロースリップ、電離圏、太陽活動、地磁気などの公開観測を横断して、

「現在の状態が平常状態からどの程度離れているか」

を評価するリスクモニタリングです。

データ出典・参考資料

気象庁|緊急地震速報(予報)最近1か月
気象庁|最新の地震情報
仙台管区気象台|青森県・岩手県沖の地震活動
国土地理院|地殻変動に関する報道発表
石垣島地方気象台
NICT|宇宙天気予報
NICT|電離圏領域

Earth Compass — 予知ではなく、確かな観測から。

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